こだわり住職のよもやま話

ATOKがリニューアル

2012年02月11日

 

ATOK2012.jpg

日本語入力システムの草分け、ジャストシステムのFEP(日本語入力システム)ATOKがバージョンアップしました。昨日より出荷が始まっています。速攻で入手したので、さっそくインストールしてこの記事を書いています。今回のバージョンでは変換エンジンが全面刷新されており、さらに賢くなっているようです。まだ使い始めたばかりなので、確かな実感はありませんが、長年愛用してきたユーザーの一人として、特別の感慨を覚えます。私がこのFEPを使い始めたのは、MS-DOS時代の一太郎Ver3に搭載されていたATOK6からでした。今回の製品パッケージに添付されていた、ATOKの歴史を紹介するパンフレットによると、ATOK6が発売されたのは1987年6月ですから、およそ25年も昔のことになります。当時のことが思い出されて、なんだか無性に懐かしくなりました。オヤジになった証拠ですね。

ATOKといえば、その次に出た一太郎Ver4に搭載されたATOK7が、私にとっては特に思い出深いFEPです。NECの98シリーズに5インチのフロッピーを差し込んで起動させ、仕事で使い倒したものです。ATOK7が搭載された一太郎Ver4は、仕事に使えるパソコン用の日本語ワードプロセッサーとして、圧倒的な支持を集めました。パソコンワープロといえば一太郎であり、日本語入力といえばATOKの時代がしばらく続きました。ただし、その当時、日本語入力システムとしては、ATOK以外のプログラムも多数存在していました。だから、ユーザーは自分の好みで、FEPをあれこれ選択できる楽しい時代でもありました。パソコン雑誌には、それらの比較記事などがたびたび掲載され、好き者は「FEPこれが一番だ。いやこっちの方が効率が上だろ。自分には○○の操作性が一番だ」などと、勝手な批評をして盛り上がったものです。かくゆう私も見事なオタクぶりで、松茸、VJE、WX、OAK、などと、およそ出回っていたFEPは一通り入手して、随分使い込んでみました。今思えば古きよき時代でした。

ところが、Windowsの時代になると、マイクロソフトが「Microsoft IME」(当初は「MS-IME」と呼ばれた)を標準搭載するようになり、日本語入力システムをわざわざ別に購入しなくても良くなりました。マイクロソフトのFEPで良しとするなら、見かけ上はタダです。だから世間では「まあ、これでいいかー」となって来て、やがてほとんどのFEPが淘汰されて行きました。PCが特殊な道具では無く、オフイスワークに欠かせないツール(事務機)となって行くにつれて、圧倒的なシェアを誇っていた一太郎とATOKの牙城はあっけなく崩れ去って行きました。民間企業では、いち早くワードとエクセルが事実上の標準ソフトとなり、最後まで残っていた官庁関係の文書も、結局一太郎文書からワード文書へと次々に移行しました。結果、我が国のオフィスでは、マイクロソフトのアプリ無しでは、日々の業務が進行しない状況になったのです。

確かに、マイクロソフトがFEPを標準添付するようになったことは、我々エンドユーザーにとっては良かったことかもしれません。しかし、現在、Windowsマシンで使用できる日本語入力プログラムで、圧倒的なシェアを誇るMicrosoft IME以外を選択するとなると、ジャストシステムのATOKが実質的に唯一の存在です。富士通のOAKも一応ありますが、何年もバージョンアップが行われておらず、開発は止まっているようです。次期Windows8への対応も行われるかどうか解りません。ですから、多くの日本人は、今後もマイクロソフトのIME(FEP)を頼りにすることになります。しかしながら、このFEPが、あまり賢くない(と思っている)ので、私は今も頑固にATOKなのです。マイクロソフトの最新IMEが、どの程度かは解りません。実は近年はまったく使っていません。だから、えらそうなことは言えないのですが。過去に使い比べてきた経験からいうと、どの時代でも明らかにATOKの勝ちでしたから、今でも間違いないと思っています。大多数の方はマイクロソフトのFEPで、なんら不都合はないと思います。しかし、日本語の入力を行う際に、絶対不可欠なプログラムであるFEPで、選択の余地が無くなるのは、やはり好ましいことではないでしょう。それと、私のように長年ATOKを愛用しているユーザーが、まだまだ少なからず存在しているのですから、ジャストシステムには今後も頑張って開発を続けて行って頂きたいものです。皆さん、ATOKって、とても優秀なプログラムです。まだ使ったことのない方は、一度騙されたと思って触ってみてください。使い勝手の良さに驚かれるはずです。

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